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またしても何の落ち度もない人の命が突然、奪われた。

 22日夜、東京・八王子の京王八王子駅ビル9階の書店で、アルバイト店員の女性が刃物で刺され、死亡した通り魔事件。駅ビルのフロアには「キャー、キャー」という悲鳴が響き、普段は帰宅途中のサラリーマンや学生たちでにぎわう駅ビル周辺は、「通り魔だ。通り魔だ」と叫ぶ人々で騒然とした雰囲気に包まれた。

 同ビル8階の雑貨店長、水城一兆さん(43)は同日午後9時半前、上の階から女性の悲鳴と大きな物音を聞いた。驚いて非常階段を駆け上がり、9階の書店に駆け付けると、床にうつぶせに倒れている中央大学3年生の斎木 愛 ( まな ) さん(22)とみられる女性の姿が目に飛び込んできたという。ほかの店員たちが、タオルで女性の傷口を押さえたり、「大丈夫か」と声をかけたりしており、女性は腕を動かして呼びかけに応じていたが、反応が次第に弱くなっていった。

 「秋葉原の事件などがあり、テナントの店員同士で『気をつけないといけないね』と言っていたところだった。まさか自分の身の回りでこんなことが起きるなんて」。水城さんは動揺を隠せない様子だった。

 8階のマッサージ店の男性店主(37)も午後9時半ごろ、上の階で「ギャー」という悲鳴がするのが聞こえた。急いで9階に駆けつけたところ、女性が血まみれになって倒れているのが見えた。男性は「恐ろしかった」と声を震わせていた。

 同ビルの前で待ち合わせをしていた八王子市内の男子大学生2人によると、午後9時40分ごろ同ビル前に来たところ、ビルの入り口にはすでに人だかりが出来ており、「通り魔だ。通り魔だ」と人々が口々に叫んでいた。毛布をかけられた女性がタンカに乗せられて救急車に運び込まれた後、ズボンの右ひざの部分に血を付けた女性が、青ざめた表情で泣きながら両脇を抱えられて出てきたという。

 同ビルは多くのテナントが入る商業ビルで、8階までの営業時間は同9時までだが、現場の書店など9~11階は当時、営業中。同書店は通常、事件が起きた時間帯は閉店間近のため客は少なく、働いている従業員は2、3人だという。


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